18人が本棚に入れています
本棚に追加
ポカポカとした陽気の朝。
7時35分、家を出る。
キィキィと錆びついた車輪が悲鳴をあげ、僕の身体を運んでいく。
のんびりとした朝の風景。
耳に流れる音楽はそんな風景とはあまりにミスマッチなUKパンク。
緩やかな左カーブの上り坂を立ち漕ぎでぐんぐん上っていく。
息のあがる程にリズムにノッて自転車を飛ばす。
上り坂の終わりと共に校門をくぐる。
二年の新学期、始業式だ。
こんな日は何かが変わるかもなんて淡い期待もせず。
いつも通りに駐輪場に自転車をいれる。
始業式ってだけあって自転車の数も多くて場所がない。
隙間を見つけ、そこに無理矢理自転車を押し込もうと降りたその時。
「―――いてぇぇ!!!!」
外れかけたイヤホンの隙間から誰かの声が聞こえた。
振り返ろうとした瞬間。
強い衝撃がオレを襲った。
最初のコメントを投稿しよう!