勝負の行方

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ぽつぽつと雨が降り出す。 空は明るくグレー、通り雨だ。 「雪村凜、早くしてっ!!」 「わかってるっつの!!」 バスの待合室、ぼろいトタン屋根の小屋に逃げ込む。 髪が少し濡れるだけで服はほとんど濡れずに済んだ。 四宮は。 少し栗色の髪は水を含んで、艶を増していた。 特徴的な唇もしっとりとして色っぽく感じた。 「何見てんの」 ジト目で、こっちを睨まれる。 「あ、あぁ悪い…」 外に目を背ける。 「アンタも変な奴ね」 「ん?」 「私に付き合うなんてさ」 「勝負、のことか?」 「うん」 待合室に設けられた長椅子に膝を抱えて座りながら床に目を向けている。 そこにはいつもの元気な四宮ではなく、静かな四宮がそこにいた。 やっぱり不思議な奴だ。 元気だったり、静かになったり。 どちらにしろ、悪い奴ではないと思っている。
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