勝負の行方

6/6
前へ
/99ページ
次へ
「わかったよ」 恥ずかしいような照れくさいような感じになって、顔を背けた。 「ふふ、よかったぁ」 たぶん四宮は笑っていたんだと思う。 背を向けたせいで見ることはできなかった。 けど、初めてそんな楽しそうな声を聞いた。だから、すぐに笑っていたんだと気付いた。 . . . 「じゃあね」 「ん、またな」 雨が上がりどこにも行きたくなくなったオレ達は、少し歩いて、あの並木道で別れた。 四宮は並木道の先で誰かに会ったようだ。 一緒に歩いて行く姿を後ろから見つめ、曇り空の暗さの中。帰路についた。 暗い曇り空は、心を不安にさせた。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加