暗がりの雨空の下で

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放課後、図書室のカウンターの中、広い図書室に響くのは愛の声とオレの鼓動。 いや、鼓動はオレにしか聞こえないか。 響く愛の声の紡ぐ名は凜。目の前に居るのはオレなのにな。 「愛、いいか?」 「え、なぁに?元春くん」 この生活が、この関係が壊れても。 「その、さ」 「なぁに?」 もう待ってなんかいられない。 「オレさ」 いつの間にか傷だらけ、 「愛のことが」 ボロボロなんだ。 「好きなんだ」 (あぁ、やっと言えた。だけど、なんだろう。虚しくて、悲しい。) もう止まない雨が降り出した。
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