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新しい朝
シルファは、心地良い朝陽の中で目覚めた。
ここまで穏やかに眠ることができたのは、もうどれぐらいぶりだろう。
だが、目覚めた次の瞬間には、弟のことが思いだされて、酷く胸が痛んだ。
クローゼットを開けると、今まで見たことも無いような綺麗な服がいくつもかかっていた。
今着ているのは、昨夜風呂で着替えた、淡いブルーのシンプルなワンピースだ。
特に飾りなどは付いていないが、生地は上等なものだと、すぐにわかる。
シルファは、並ぶ服を眺めながら、どうしていいのか分からずにいた。
本当に、全て自分の物にしても良いのだろうか?
以前の持ち主はもういないと言う。
では、その人はなぜいなくなったのだろう?
戻ってくることは、無いのだろうか?
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