回想

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『多分、シルファは魔力を持ってる。』 ノワールの言葉を思い出す。 『どれほどのものなのか。使い物になるのかどうかもわかんねーが。感知するだけの力はある。』 本人には、あまり自覚は無いんだろうが…。 おそらく、夢は警告。 幼い姉弟を、つけ狙う者がいる・・・。 キールは魔道士だった。 それも、生まれつきの。 その子供が、魔力保有者だというのなら、狙われるのは必然か…。 ルースは迷っていた。 シルファが、自分の親のことをどこまで知っているのか。 魔道士の世界から抜けだそうとしたキールが、まだ幼かった娘にそんな話をするだろうか? 「赤い目…か。」 深夜。 自室で一人、ルースは呟く。 そして、この先に起こりうる結末を思い、ため息をついた。
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