55541人が本棚に入れています
本棚に追加
/1021ページ
『多分、シルファは魔力を持ってる。』
ノワールの言葉を思い出す。
『どれほどのものなのか。使い物になるのかどうかもわかんねーが。感知するだけの力はある。』
本人には、あまり自覚は無いんだろうが…。
おそらく、夢は警告。
幼い姉弟を、つけ狙う者がいる・・・。
キールは魔道士だった。
それも、生まれつきの。
その子供が、魔力保有者だというのなら、狙われるのは必然か…。
ルースは迷っていた。
シルファが、自分の親のことをどこまで知っているのか。
魔道士の世界から抜けだそうとしたキールが、まだ幼かった娘にそんな話をするだろうか?
「赤い目…か。」
深夜。
自室で一人、ルースは呟く。
そして、この先に起こりうる結末を思い、ため息をついた。
最初のコメントを投稿しよう!