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・・・ ・・・ ・・・
「つ…っ。」
夢見が悪く、起き上がると酷く頭が重かった。
ちょうどそこに、コンコンと外からドアをノックする音が聴こえてくる。
「あの、朝食ができました。ルース様?起きてらっしゃいますか?」
懐かしい夢の余韻から抜けきれずに、ルースは頭を抱えたまま、しばらく動けずにいた。
「…ルース様?」
様子を窺うような声がして、しばらくするとドアから離れて行く足音が聴こえた。
まだ寝ていると思ったのだろう。
シルファは、いつもと変わらない。
取り乱し、涙を見せたのもあれっきりで、屋敷に戻る頃には普段と変わらずに笑顔を見せた。
それが、無理やりだろうことぐらいはルースにもわかっていたが、そこに口を出すつもりはなかった。
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