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「悪魔が力尽きて消えれば、契約者の人間も死んでしまうのよ。」
「…えっ?」
「悪魔との契約は、魂の契約とも言われるの。
悪魔に命を握られることなのよ。
命を握られたまま、その悪魔が消えてしまえば、人間にもなんらかの影響はあるわ。実際、その人も弱っていったの。」
「…。」
「だから、ルースは満月期に限って、ノワールの好きにさせてるのよ。」
そこまで聞いて、シルファの中にはまた新しい疑問が生まれる。
その契約者とは、誰だろう…?
聞いてもいいことなのか、考えた末に、シルファはそれを胸に押し込んだ。
ちょうどその時、ドアの外をカリカリと引っ掻く音が聴こえたせいでもあった。
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