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「お前だって、そう思ってただろ。」
「…っ。」
射抜かれて、アンジェラは息を呑む。
「力を何に使うかは、自分で決める。誰かに従うつもりはない。」
低く静かな声には、強い意志。
「それで、お前らに何か迷惑かけたか?」
「…そ…、それ…は…。」
「じゃあ、もういいだろ。」
そこまで言われて、アンジェラも、言葉が無かった。
「…わかった。上には適当に言っとくわ。」
「…。」
アンジェラの言葉を聞いて、背を向けようとしたルースを呼びとめる。
「ねえ。ところで…。」
再びこっちを向いたルースの肩には、相変わらず黒い猫。
「…その猫、なんなの?」
その問いに、ルースは肩にいる猫をちらっと見る。
そして、簡潔に答えた。
「悪魔。」
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