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「覗きが趣味か?あんま、感心しないな。」
「…っ。違うわよっ。」
「匂いがしてたから、もしかしたらとは思ったが。やっぱお前だったんだな。」
「・・・匂い?」
「ああ。人間は、それぞれの匂いを持ってる。全部違うからな。」
「・・・じゃあ、あたしが居たこと、知ってたの?」
「まあな。」
「知ってて、あんなこと…っ。」
「それは、俺の自由だろ。」
「…っ。あ、あの人はっ?どうしたのッ?まさか、ほったらかしっ?」
「全部綺麗に忘れて、ゆっくり温泉に浸かってるさ。」
「わす…れ…。まさか、記憶を…っ。」
「ちげーよ。」
睨まれて、一瞬気圧される。
「悪魔の声は、人をトランス(恍惚)状態にする。ぼーっとなって、なんも考えらんなくなるんだ。お前も知ってるだろ?」
「…っ。」
ニヤニヤと笑いながら、アンジェラを見下ろす。
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