55553人が本棚に入れています
本棚に追加
「あなたって、ホント変な人ね。あ、ヒトじゃないのか。」
ひとしきり笑った後で、宿に戻る道を歩きながらアンジェラは言った。
その後ろを、ノワールは何も言わずに歩いている。
「なんてゆーか、全然悪魔らしくない。」
「悪魔らしいって、どんなんだ?」
「そりゃあ…。もっと、怖くて、禍々しくて、邪悪で…。」
「見るからにそんなんじゃ、誰も寄ってこねぇな。最初から警戒されまくって、やりにくくてしょうがねぇだろうな?」
「…そ…か…。」
「ヒト型の魔物は、普段は、大概…普通の人間と変わんねーぜ?それが見極められないようじゃ、まだまだだな。」
「うるさいわね。てゆっか、あなたは、普段は猫じゃない。」
「…好きで、猫になってんじゃねぇ。」
「満月のときだけ戻るの?この前もそうだったわよね?」
「ああ。」
「…で、その度、あんなことしてるわけ?」
「まあな。」
「どうして?」
「必要だから。」
最初のコメントを投稿しよう!