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迷いながらも、シルファは目にとまった1着を取り出した。
グリーンのワンピースで、衿と5分丈の袖の折り返しが白になっている。
着てみると、シルファには少し大きいようだが、問題は無いようだった。
鏡台の前で髪をとかし、少し離れて全身を鏡に映して確認する。
「よし。」
納得して、シルファは頷くと、深く息を吸い込んで勢いよくドアを開けた。
キョロキョロと辺りを見回す。
2階には、シルファの部屋の他に、あと6つ扉があった。
そのすべてを開けてみたい衝動に駆られたが、そんなことをすればどうなるだろうと考えると、一気に恐怖が湧き上がってくる。
シルファは、以前から聞いていた、恐ろしい魔道士の噂を思い返した。
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