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「あの、ルース様。」
「んー?」
「あの…、私は何をすれば…いいんでしょう?」
「・・・あ?」
「…あ、朝食の用意とかッ!キッチンはどこですか?」
「…あっち。」
「はいッ。がんばりますッ。」
満面の笑顔でそう言って、シルファは指差された方に駆け出した。
「・・・ご機嫌だな?」
「そのようだな。」
「ノワール…。」
「…。」
「・・・。」
「わかった、わかった。見張ってりゃいんだろ?」
「頼むなー。」
「ったく。猫遣いの荒い奴め。覚えてやがれ。」
「ノワール。猫が嫌なら、もっと別な姿にしてやってもいいぞ?
何がいい?ネズミか?アリか?
見えなくて、踏みつぶしかねないなぁ?」
「…っこ…の、腐れ魔道士がッ。」
舌打ちと悪態をついて、ノワールはシルファの後を追った。
それを見送った後、ルースはふうっとため息をこぼして、しばらくの間物思いに耽っていた。
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