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『君には君の。僕には僕の生き方がある。それだけのことだよ、ルース。』
懐かしい…友の記憶だった。
いや、友と呼べるのかどうかもわからないが・・・。
ルースは立ち上がり、2階の一番奥の部屋へと入って行った。
・・・ ・・・ ・・・
「ノワール。ルース様の好きな食べ物ってなんですか?」
「…さあ?」
「…じゃあ、嫌いな物は?」
「ニンジンとトマト。」
「・・・は?」
「ニンジンとトマトがダメなんだ。アイツ。」
「ニンジンと…トマト…。」
シルファの頭の中で、ニンジンとトマトとルースが順に流れて行く。
「ガキみたいだろ?あんなナリして。」
いかにも皮肉っぽくノワールが言う。
「・・・ぷッ。あはははっ。」
シルファはひとしきり笑うと、「よし」と気合十分に、鼻歌交じりで料理に取りかかった。
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