55548人が本棚に入れています
本棚に追加
/1021ページ
日付は5年前。
結局、この犯人はいまだ捕まっていない。
昨夜、シルファを風呂に案内して戻ってきたノワールの言葉を思い出す。
・・・ ・・・ ・・・
「あの嬢ちゃん、ワケありだな。」
「…あ?」
「背中にでっかい傷があったぜ?ありゃ、タダ事じゃねえ。」
「お前、見てたのか?このクソ変態猫が。」
「いや、ちらっとだ。ちょーっとだけだ。爪の先っ緒くらい、ちょーっとな?」
そう言って、ノワールは髭をひくひくさせながら、厭らしく笑う。
「傷って、どんな?火事で火傷でもしたんじゃないのか?」
「いやぁ。ありゃ、古い傷だ。肩から腰にかけて、長い切り傷だ。」
「…爪の先っ緒程度で、よくそこまでわかるな?」
「あ?ああ…。まーな…。」
「次やったら、目ぇつぶすからな。」
「わ、わーった。わったから。な?」
最初のコメントを投稿しよう!