火事の夜

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「村の人達に知れたら、気味悪がられるんじゃないか。 迷惑掛けるんじゃないかって…。隠してました…。」 「誰かに見られたことは?」 「…村長様に…。驚いてました。 でも、気に病むことは無いって…言ってくれて。 魔力を持つことは、素晴らしいことだから。いずれ、大きくなったら、立派な魔道士になれるように…、守ってあげなさいって…。 そう言われて、初めて、それが魔力なんだって実感して…。」 得体のしれない力。 それが、この世界で称賛され、特別とされる物だと知った…。 「トールも自分の力に自覚が出てきて…。 そしたら、時々、おかしなことを言うようになって。」 「おかしなこと?」 アンジェラが訝しげに聞き返す。
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