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辺りがシンと静まる。
アンジェラがそっと目を開ける。
自分が縛りつけた村長は、そこに横たわったまま、ピクリとも動かない。
辺りはどす黒い血が溢れ、何のものともわからない異臭が漂う。
「…なにを…したの?」
空からゆっくりと降りてきたノワールに、アンジェラは少し震えた声で聞く。
悪魔の“真の声”は、契約者でない限り、普通の人間の耳には聴こえないため、アンジェラには、今そこで何が起きたのかはわからない。
「邪念はヤツらの好物だからな。喰わせた。」
「…誰に?」
「聞かない方がいいぞ?」
「…じゃ、聞かない。」
聞かずとも、なんとなく予測がつく。
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