赤い目

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「で?ルースは?」 「ガキ、探してんじゃねーか?」 二人が言葉を交わした時。 「ノワールッ!アンジェラさんッ!」 そこにはいないはずの声が、飛び出してくる。 「シルファッ?!」 「何してんだっ?」 「ルース様はっ?トールはどこッ?」 シルファはアンジェラにしがみついて叫ぶ。 「ちょ、ちょっと待ってッ。シルファッ。」 「ノエルッ。何してんだっ!」 「仕方ないだろ。泣かれると、弱いんだよ…。」 情けない顔をしてノエルは言う。 「…ッ。もしかして…、今の、見てた?」 アンジェラが恐る恐るシルファの顔を覗き込む。 さっきここで繰り広げられた凄惨な光景は、15歳の少女にはあまりにも酷だ。 「…今の?」 「見えないようにしといたよ。当たり前だろ。」 ノエルが低い声で呟くと、アンジェラはほーっと胸をなでおろした。
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