赤い目

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「く…ッ。くくく…ッ。」 不気味な声。 「もう…遅いわ…。」 それは、地面に横たわる黒い塊から聴こえてくる。 「…村長…様…?」 だが、その声は、村長のものとは違う。 もっと低く、不気味で、体の奥に入りこんでくるような・・・。 「あーっはっはっはっはっ…!っぐ…ッがぁぁああああ――――ッ!!!」 突然の高笑いが途切れたかと思うと、カっと赤い目が見開かれ、ビクンッビクンッとその体が大きく跳ね上がる。 「だめッ。」 とっさにアンジェラが、シルファの視界を遮るように抱きしめた。 次の瞬間。 ブシュゥウッ!!! 黒い体液を噴水のように撒き散らし、その体は再び動きを止めた。
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