躊躇い

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暗い屋敷の中。 灯りは一つも灯されていない。 血の匂い…。 それも、魔物特有の、鼻につくような腐臭。 「ちッ。」 遅かったか・・・? 匂いをたどって、ルースは開け放たれた地下への階段を見つける。 ゆっくりとその階段を下りると、血の匂いが次第に濃くなる。 階段を降り切ると、そこは上の階とは違い、ろうそくの明かりが幾つか灯されていたが、そこそこ広い地下室の奥までは明かりが届かないようだった。 辺りには、おそらく魔物のものであろう黒い血の痕。
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