55553人が本棚に入れています
本棚に追加
比較的小物の魔獣を短時間で倒し、報酬を受け取る。
肩の傷が開き、痛みが走る。
迷いながら、あの医者の所に来ていた。
「…アンタ…。どのツラさげて…ッ。」
最初に出てきたのはアキだった。
顔を真っ赤にして、手に持っているお玉を振り上げる。
けれど、それを振り下ろされるよりも先に、ルースは頭を下げた。
「悪かっ…た…。世話に…なったのに…。」
「…な、なに、いきなり…。」
「あの…、ガイ…さん…は?」
「…お、お父さんなら、いるわよ。待って。呼んでくるから。」
「…悪い…。」
「いいけど。あ、アンタ、また…。傷開いてるんじゃない?それ、血?」
「…。」
「もうッ。とにかく、入って、待っててッ。」
アキはルースの、怪我をしていない方の腕をぐっと引っ張ると、半ば無理やり家の中に引き入れた。
最初のコメントを投稿しよう!