55548人が本棚に入れています
本棚に追加
/1021ページ
「ふうん。双子で生まれて、一方は魔力持ち、一方は無し…か。よく喧嘩になったろー。」
「いや?」
「ん?そうか?ああ、まあ、男同士とはまた違うか。
俺も、兄キがいてな。魔力があるのは俺だけだった。
ガキん頃は、お前は化物だとか、なんとか…。いろいろ言われたけどな。」
『こっち来んじゃねぇよ。バケモノ。』
『気味悪いのよ、その髪と目。』
血の繋がった兄弟でありながら、自分を蔑んだ兄と姉。
アストレイ家の事業が失敗した後、彼らがどうなったかは知らない。
両親は、故郷の街から離れ、小さな村で細々と暮らしているはずだ。
「まあ、腹も立ったが、要するに…羨ましかったんだろうな。
今となっちゃ、俺よりもよっぽど腕のいい医者だ。もちろん、普通のだがな。」
あまりにも違いすぎるなら、いっそ、離れていた方が良かったのだろうか?
最初のコメントを投稿しよう!