空っぽ

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「見ぃつけた・・・。」 アリシアは小さな家の前にたどり着いて、ニィっと口の端を歪めて笑った。 その表情には、いつもの彼女の柔らかさは無い。 トントン。 ドアをノックすると、しばらくして応答があった。 「はい?どなた?」 ドアが開いて、中年の女性が出て来る。 自分と同じ、薄い茶色の髪と瞳。 今では背も同じくらいだが、相手の方が若干痩せこけているようだった。 「…私よ?お母さん?」 「…え?」 「アリシアよ?覚えて無いの?」 その瞬間、彼女の顔はみるみるうちに蒼白となる。
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