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白と黒
「…。」
大人しく丸くなっているノワールの前に、シルファはそろそろと静かに食事を置くと、素早くそこから離れる。
「・・・。」
ここ2、3日。
ずっとそんな調子のシルファを、ノワールは呆れたように横目で見た。
満月の3日間を過ぎて、ノワールはすっかりと猫の姿に戻っていたが、シルファはそれでもなんとなくノワールに近寄りがたかった。
「おい。」
しびれを切らしたノワールが、低い声でシルファを呼びとめる。
「な…なに?」
びくびくしながら、シルファはしっかりと距離を取っている。
「あからさまに警戒するなっ。気分悪ぃぞっ。」
「だ…だって…。」
「もう何もしねぇっつってんだろっ。俺だって、お預け喰らうのはごめんなんだよっ。」
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