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姉弟
「ほう。お前は、火を操れるのか。どれ、見せてくれ。」
にこにこと穏やかな笑みを湛えて、村長は言った。
トールは嬉しくなって、目の前のろうそくをじっと見つめる。
ゆらゆらと揺れるろうそくの火。
風は無いのに、それはだんだんと大きく揺らぐ。
「んー…ッ。」
トールが力を込めると、火はボウっと一瞬大きく燃え上がり、すぐに消えて行った。
「これはすごい。お前は、本当にすごい子だよ、トール。」
頭を撫でられると、単純に嬉しい。
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