ハエになった男の話

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退屈な毎日が厭で、だからといって、これといってやりたい事も、夢も希望もお金もなかった。 友人のバイクの無免許運転がばれて高校を一年の夏休み明けに退学になった拓海は、まもなく18歳になろうとしていた。しかし最近2年くらい、毎日を自分の部屋でだらだら過ごすだけで、たまに部屋から出るのはトイレか食事か風呂の時だけだった。両親は、さすがに始めの頃は怒ったり心配したり悩んだりしていたが、とりあえず元気でいるので気にしないようになっていった。
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