優勇戦姫

2/53
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
コンコンッ 黎「どーぞ……ってあんたか。何か用?無いなら帰れ」 烙「おま…患者に対して酷い扱いやな」 黎「…何の症状?」 烙「そらもちろん、こ―」 黎「黙れじじぃ」 烙「なっ!まだ二十代や!つか人の―」 黎「…――で、あんたは何の用?」 諒「へ?あ、さっきの―」 黎「あぁ、優の事か。生きては居る。なんなら様子見るか?」 諒「あ、はい」 烙「おい!黎!」 黎「…あ?」 諒(こわっ…!) 烙「頼むから人の話を最後まで聴いてや」 黎「何を言うか解ってるのに最後まで聴けるか」 烙「……ゼロん時はあんな素直やのにな(ボソッ」 勇「――う……痛ー…」 黎「起き上がんな」 勇「ってぇな」 黎「無理矢理目覚めて…用件は?」 勇「そいつに礼をな」 諒「俺?」 勇「助けてくれてありがとな」 諒「…その娘が死ぬと、貴方も死ぬから、か?」 勇「勘鋭いな、あんた。ま、それもあるが……」 黎「―イサ、そろそろ休め」 勇「…解ったよ。じゃな」 黎「ったく、自分と優の体力考えろよ…」 烙「お前も人の事言えんやろ」 黎「俺はこんな無茶しない」 烙「どうだか…」 黎「そんなことより…諒」 諒「は……え?なんで俺の―」 黎「患者になりうる者の名くらい、覚えてる」 諒「なるほど…」 黎「諒、あんたに優の護衛を頼みたい」 諒「……は?」 黎「あんたに―」 諒「いえ、聴こえなかったわけでは……ええと、何故、ですか?」 黎「烙業から剣術に長けていると聴いた。気を読むのに長けているとも」 諒「……」 黎「と、言うことで頼んだ。長には伝えてある」 諒「ちょっと待って下さい。俺に拒否権は…?」 黎「ない」 諒「ですよね…」 黎「あぁ、それから、優が起きるまで看ててほしい」 諒「……」 烙「…ま、看てる間は有休やから(苦笑。それと、護衛については俺からも頼みたい」 諒「…わかりました」
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!