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「急いで印石の間に向かってくれ!」
「先にあなたを助けたい」
「私はいい。君がそこの魔物を倒してくれたおかげで、自力で何とかなりそうだ。だから気にするな」
彼は先ほど私が倒した化け人間を指差す。
「印石の間への鍵はそいつが持っているはずだ!」
「わかった、あなたも気を付けて」
「ああ、お互い生きて会えるよう祈る」
化け人間の死体から鍵を探しだし、私は急ぐ。
印石の間には魔導士達が集まっていた。
奴等の魔法だけでなく奴等が召喚する魔法にも苦しめられる
印石の間にある階段を上りきる。
そこにはこの塔の核とも言える印石があった。
丸い球体の石は膨大な魔力を放っている。
私は印石に手を伸ばす。
印石が抵抗するかの様に私に魔力をぶつけてくる。痛みはない。強い力に押し返されるようだ。
印石を掴む。
押し返す力が消える。
印石は私の手のなかで静かに脈打っている。
塔が崩壊を始める。
いや、塔ではない。崩壊したのは――
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