アーティストという稼業

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アーティストという稼業

ミュージシャンに限らず、画家や陶芸家、ハイパー メディア クリエイターなんかもアーティストであるが、彼らはそれを仕事だと思っているのだろうか?   否、彼らは表現者であり好きなことをやっているだけだ。もちろんそれで飯が食えるに越したことはないのだが、例えば筆者がクリエイターの頁を更新しても一円の稼ぎにもならないのと同じで食い扶持にもならない。   音楽を披露するのは路上でも構わないが、音楽を聴きに来る人が集まるクラブの出演を取り付けたり、スタジオを借りるお金は他の仕事で稼いだりしなければならない。   そこで、クラブへのブッキングやレコード会社と契約しレコーディング費用を捻出するマネージャーの出番となる。   音楽を披露する場所と練習や録音するための費用という問題をマネージャーに任せることで、アーティストは音楽活動に専念することができるのである。この時点で初めてアーティストは食い扶持を稼ぐことができる。   しかし、そこには利害関係があり、レコードを売りたい会社は録音と発売に期限を付ける。経過を聴いて難色を示すようであれば楽曲に口を出すこともある。   ※1973年のアルバム"狂気"が大ヒットを飛ばしたPINK FLOYDだが、次作のレコーディング時に初めてレコード会社の重役がスタジオに顔を出した。その時の第一声が「誰がピンクくんで、誰がフロイドくんなんだい」であることは有名な話。
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