偶像と真実

1/1
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ

偶像と真実

人間は幼少期から思春期にかけて、親や学校から"人生とはこうあるべき"という大人像を叩き込まれる。   勉強をし、優秀な成績を収め、就職して後に結婚。そして子供をもうけることが幸福な人生であると。   ミュージシャンはというと、好きなことをして金に困り、夜のクラブで演奏する。   所謂"ドロップアウト"であり、一般社会と決別した"アウトサイダー/反逆者"である。   私達はその反逆者に憧れているのだ。   日本でいうと貧乏な役者志望の劇団員なんかを想像してもらうといいだろう。もちろん、そこから一握りの役者は輝かしい成功を収め、華々しく演出されるのだが。   その反逆者達が観客より高い位地のステージに立ち、自己の表現欲求を満たしながら私達を魅了する。   それがロックなのだ。   ※手塚治虫のアートをテーマにしたミステリー漫画"ばるぼら"では異常性癖を持ったミステリー作家の内省的な闇の部分を抉り、それがどのようにして傑作を生み出し大衆にアートとして認められるかまでを描いている。この主人公をミュージシャンに例えると非常に解りやすいので、ぜひ読んでもらいたい。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!