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「シアンっ シアン いやぁぁああーー!!」
クレアが倒れたシアンに縋り付き名前を呼ぶと微かにシアンの目が開き何かを言いかけた。
だが男によって邪魔をされる。
男は傷ついたシアンを足で踏み潰し、クレアの長い髪を無理やり引っ張って自分に向けた。
「っつ、」
痛みに顔を歪めるクレアに男は手を緩めず語りかける。
「久しぶりだというのに僕へのあいさつもまだ済んでないじゃないか。クレア」
(久しぶり……?)
悪夢のような光景と痛みの中、クレアの脳裏に疑問が浮かんだ。
身を竦ませながら男を見上げる。
「………あなた……誰?」
「っ!」
瞬間、男の美しい目が見開かれた。
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