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「えー、今日は転校生を紹介する」
そんな一声で始まったHR。その一声はクラスを烏合の集にさせるのには十分だった。
口々に騒ぎたてる生徒たち。1年2学期という不思議な時期に転校してきた事はどうでも良いらしく、聞こえてくるのは
なにが好きか
部活はどうするのか、
背丈は体格は等々。
まぁ、勧誘を考える運動なら分かる。
疑問だが、中には…
可愛いのか
彼女はいるのか
彼氏は居るのか……
冗談で言っているのだと信じたいセリフも飛び交っていた。
そんな中、学級委員長こと班乃明はというと…
止めるでもなく、笑いながらただただ傍観に撤していた。
『ちょっとっ!!宜しくしたよねっ!?やる気あるの学級委員長ぉっ!?』
心中そんな突っ込みを入れる担任だったが、教員たるものこれくらい静められなくてどうする!と、大きく息を吸い込み一つガツンと言ってやろうとしたその刹那。
「私のために争うのはやめてっ!」
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