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そんな鈴橋の昼休みは、植野と班乃2人と屋上で昼食を取るのが恒例だ。休み時間の度隣のクラスに出来る人だかりにうんざりしていた鈴橋は、昼休みのチャイムと共に一目散に屋上へとあがった。
3人で昼食をとると言っても班乃は別クラスの為一緒に屋上に行くわけではない。因みにだが昼休みコソはと狙っていた植野も引きずって来ていた。
「あー…昼休みコソは転校生拝みに行こうと思ってたのに」
「んなもん拝んだってなんのご利益もないだろうが。それに会長のクラスだし、もしかしたら会長が連れて来るかもしれないだろ」
人ごみ人だかり、騒がしいのが嫌いな鈴橋にとって余り歓迎は出来ないが、それなりに変な発言をした転校生がどんな奴なのか、ひと目見てみたいくらいには気になっては居た。
「確かにっ!! 神様仏様かいちょー様っ!どうか謎の転校生に会わせて下さいっ!」
お前はいつの世代の人間だ…
両手を合わせ南無南無する植野に突っ込む気力もなく、敢えてスルし班乃を待たずにお弁当箱をあけた。
『うん、今日も美味しそうだ 』
学食も購買もあるので弁当を持ってくる必要はないのだが、保育園に通う妹に作るついでにと自分の分も作ってくれる。
負担になっていなければとは思うが、母の作る料理は好きだしありがたい。
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