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いきなりの元気な声に多少驚きつつ安積に視線を向けた班乃と植野。勿論、と言って良いのか。
鈴橋は一瞥すらせず屋上を後にした。
「俺演劇やってみたい!あっきー、放課後見学行って良い?」
思わずキラキラと吹き出しをつけたくなるくらいの笑顔の安積に、部員が増えるからか、それとも自分を名前で呼ぶ珍しい人物に好意を抱いたからか、班乃も嬉しそうに笑った。
「勿論です。今日の午後練一緒に行きましょう」
「そかそか。演劇部かぁ…」
そう言った植野は、安積をまじまじと上から下まで、そして最後に顔を見つめた。
「なっ、なに?」
品定めするような視線に、思わず班乃の後ろへと隠れ、植野に警戒の目を向けた。
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