- だってか弱いんだもんw -

8/9
前へ
/2093ページ
次へ
「なぁなぁ、会長っ!せーちゃんって自分で言うだけあって小さいし華奢だし、女の子役に適任だと思わないっ?」 「はいっ!?」 いかにも名案を思いついたように言い放った植野に、思わずすっとんきょうな声を上げてしまった。 女の子役と言うことは当たり前に女装する事になるわけで、スカートはいたり化粧したり、女の子っぽい仕草とか諸々、やらなきゃならないわけで… そりゃ、男子校の演劇部というなら女の子役をやる人も出てくるに決まっている。そんな当たり前の事は分かっているが、だからと言って好き好んでやりたいわけがない。 「ちょっ、ちょっとっ!変なこと言わないでよぅ!!見た目で判断するの良くないっ!ヒーローとか王子様とかさっ、カッコいい役が良いな俺っ!!」 「……確かにそうですね」 「でしょっ!?流石あっきー!!分かってr」 「顔も中性的ですし…」 「はいっ!?」 焦りながら女の子役を避けようと希望を述べる安積の言葉を遮るように班乃が発した言葉に、宜しくない方向に風が吹いているのがありありと感じ取れる。 顔色陰る安積の頭にぽんっと手を乗せた班乃も、植野に習い今一度安積の顔を見つめた。 「ちょっとっ、あっきーまでなに言ってくれちゃってんの!! 2人とも一旦冷静になろっ! ねっ!?」 「と、言われましても」 「十分冷静ですよね、俺達」 「えぇ。至って通常運転です」 「通常…っ!!」
/2093ページ

最初のコメントを投稿しよう!

268人が本棚に入れています
本棚に追加