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…か? …さか? あさ…
「安積っ!」
「っ!?」
「急にボケッとして…どうしかしたか?」
「大丈夫? 聖ちゃん?」
「…あっ、あぁ、うん!大丈夫っ!ごめんごめんっ、なんでもないよっ!!」
頭を過った古い記憶。
あの人も、綺麗な青い瞳をしていた。
今、凄く会いたい人。
今、凄く謝りたい人。
今、凄くお礼をしたい人。
その為にこの学園に転校してきた。
「いきなりボッとして、話かけても返答ないからびっくりしたよ」
「どうした?具合でも悪いのか?」
「や、本当大丈夫っ!ごめんね、心配かけて! でも、凄く会ってみたいなぁ!撫子の君」
「嫌でもそのうち会えると思いますよー」
「っ会長!?」
いきなり現れいきなり会話に乱入してきた班乃に驚いた植野は一歩後退り胸に手を当てる。涼しそうに笑う班乃が少し憎たらしい…。
「かっ、会長も何気神出鬼没だよねっ!?」
「そうですか?学君は気付いてましたけど?」
「まぁ、向かい進行方向ですから」
今だに早い鼓動を押さえながら気付いてたなら教えてよと苦情をもらしたが、気付かないのが悪いと冷たく一蹴された。
「本当に、会えるかな?」
そんな夫婦漫才を華麗に無視した安積は、班乃へと真剣な視線を向け問いかける。
「会えない方が奇跡ですって。それに…っと、それより綾雪」
話を急に植野へと向け、至って楽しそうに言い放った。
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