二人静に誘われて

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それは蛇口から一滴の水が滴り落ちる音ですら、快眠の妨げになる。 目蓋が自然と閉じるまで一切の音を耳に入れたくない。 眠りにつくまでは最低限、無音を保っていて欲しいと、心底願う。 寝付きが悪くてどうしようもない僕は、試行錯誤を繰り返した。 枕を新しく変えてみたり、また布団の柄を変えてみたり、それからアイマスクを付けてみたりと、色々試してはみたがどれも活かしきれず、効果を発揮することなく散っていった。 そうだ、寝る前に筋トレをやって無駄な汗を流したりもした。
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