真夜中の悪魔退治

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空を見上げると雲に隠れてた朧月夜が姿を現し、再び虫たちの合唱が開始され、今日も二人静町に辛うじて最低限の平和を維持することができた。 僕たちは町を守ったのだ! と正義面をするつもりも毛頭ないけど。 「さて。明日も早いことですし今日はこの辺でお開きにしましょうか。菖蒲さん、帰りはどうしますか? 御一緒にどうです?」 「御一緒って、ひょっとしてお父上が近くにいらっしゃる?」 「まあ。正解です」 まさか、葎(むぐら)のおっちゃんと一緒だったとは。……面倒は避けるべき。そして登場して欲しくない。 「自転車をほったらかしにしてるので僕のことは気になさらず。じゃ、じゃあね」 「そうですか。ではまた明日、学校で」 「菖蒲ちゃん、また明日学校でねー。おやすみなさいー」 お休み。 こうしてそそくさと逃げるようにこの場から立ち去り叢に放り投げた自転車を取りに行くのだった。ふう。
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