告白大作戦

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重くのし掛かる目蓋を擦りながら脇見をして登校していると、路傍にユキワリイチゲが咲いてるのを発見。月日というのは実にあっという間だ。正に烏兎匆々。 嗚呼、儚きスプリング・エフェメラル。 「昨日は結構な揺れだったよな。俺、揺れには敏感だからよ、直ぐに目を覚まして外へ逃げたぜ」 季節を教えてくれる花を見て堪能してるところに大谷渡(おおたにわたる)くんが徐に口を開き、通学最中唯一の癒やしの時間は呆気なく終了した。 「聞いてるのかい? 菖蒲くん」 「あ、ご免。全然聞いてなかったよ」
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