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「渡くん、僕たち例の公園で屯してるから委員長の仕事が終わったらおいでよ」
「了解した! 陽が暮れても待っていてくれ。必ず向かうよ」
まさか本当に立候補するなんて。渡くんの勢いに圧されて立候補者は立たなく、結局一人しか挙手しなく、なので戦う相手もいなく、投票することなく、社会主義国のように満場一致で決まってしまい、あっさりと委員長という肩書きを手に入れてしまった。
やはり彼はそのような星の下に生まれたのだろうか。
上履きから靴に履き替えて、そそくさと学校を後にした。
「ねぇねぇ菖蒲くんってさ……、もう新しいクラスには慣れた?」
完全に学校が視界に入らなくなったところで、俯いたまま視線を合わせず僕に質問してくれた。
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