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――私立聖凛学園。
この学園は文武両道を目指し、日々精進(?)している。
しかし、この聖凛学園には
「聖凛学園七不思議」という
創立時代から言い伝えられている伝説があった。
…ベタな処で“トイレの花子さん”
“勝手に鳴り響くピアノ”
等々。
だが、最近新たなる不思議が
この七不思議に追加された。
えっ?七不思議じゃ無くなってる?
………。
気にしたら負けだ!!
その新たなる七不思議
“図書室の本澤さん”
トイレの花子さんの
従兄弟という噂が流れている。
その人は放課後、全部活の活動が終わり、下校時間が過ぎた後でも
図書室の電気がついているという…。
しかし未だにこの正体を暴いた人物はいない。
「…という事で一緒に学校に行ってくれないか?」
「…はっ?」
所変わってここはとある男子の自室。
外は既に黒に染まりつつある。
学校に行こうと言い出した方はサッカーボールを抱きながら
携帯越しに喋っている。
しかし言われた方は凄い溜め息をはいた。
「…急になんだよ。」
「いや、だってさー。」
…怖くない?
「…はぁぁぁぁぁ。」
「はっ!?お前そんなに溜め息つくなよ!!」
…何故急にこのような話に発展したかと言うと、
1時間程前に遡る。
―――…
「あっれ…?」
スポーツバックを荒々しく
探っている少年
*春野爽也*-ハルノ ソウヤ-
は、顔を真っ青にしていた。
「落ち着け、俺。」
う~んと頭を抱え暫く塞ぎ込んでいると、爽也の中で
とある答えが浮かんできた。
「学校…!」
バッと外に目をやると既に
薄暗くなっていた。
今すぐにでも取りに行こうと思ったが、今学校には“噂”が流れている。
“図書室の本澤さん”
未だに正体不明の噂。
そんな中で学校に行くのは真っ平ごめんだ。
しかしこのテスト期間にテキスト無しで勉強できる程自分は頭が良くない。
そこで少年が考え付いた案が、
「…誰かと一緒に行こ。」
――――…
「お前一人で行け。馬鹿。」
「だぁぁぁ!やだよ!」
「お前何でお化け屋敷とかホラー映画とか大丈夫な癖にそういうのは駄目なんだよ。」
「相手は本物だぞ!」
「…。」
ブツッ。
ツー、ツー。
「えっ、…拓実?」
「…あの野郎切りやがった…!」
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