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「んぁ、すまん先生。」
「ったく。大体お前は…!」
「わぁった!明日聞くから!…ところでさ、」
「ん?何だ?」
「さっき雪園…さんが走っていかなかった?」
「あっ、あぁ。あいつは頻繁に図書室を借りているからな。」
「…こんな放課後に?」
「普段は図書室が騒がしいからといって借りている。」
大体最近の奴等は…。チビハゲがぐちぐち言っているが、
爽也の頭には全く入って来なかった。
(…不思議な子だなぁ。)
――放課後、図書室で本を読んでいる
たった一人で…。
「…っと、そう言えば何でお前は雪園の名前を知っているんだ?」
「は!?いやー、お、同じ学年だし!不思議な子だなって思って!」
「そうか、まぁ頭の作りは全然違うがな!」
「はぁ?何でだよ!」
「お前は学年テスト下から数えた方が早いが、あいつは1年からずっと1位だからだ。」
「げぇ!まじかよ!」
「お前もこんな所で油売ってないでさっさと帰って勉強しろ!」
「!…てか先生が引き留めたんじゃん!」
「引き留めとらん!さっさと帰れ!」
「あ、じゃあ鍵よろしく。さよーなら!」
チビハゲに鍵を任せ、走って自転車置き場へ向かった。
(生徒手帳は直接返そうっと)
*翌日*
サッカー部は朝練を終え、各々の教室へ帰った。
「おーい、たーくーみーくーん!!」
「何の用だいビビり爽也君。」
*神藤拓実*-シンドウ タクミ-
サッカー部副主将で
MFを勤めている。
…俺の幼馴染みとは思えないぐらいのCool。
「この野郎ぅぅ!お前のせいで昨日一人で学校行ったんだぞ!」
「へぇ、良かったじゃないか。」
「おまっ…!彼女出来てから更に冷たくなったな!」
「そうか?…お前にたいしてはいつもこんな感じだと思っていたんだが…。」
うーんと手を顎にあて、考える仕草をとる拓実。
拓実はクール系の美形の為その姿を見るだけで数人の女子は頬を染める。
「なんでお前みたいな奴が幼馴染みなんだよぉぉ!」
「黙れ。近所迷惑だよ。…あ」
ふと視線を上げた拓実の目が少し輝く。
…彼女が迎えに来たらしい。
「おはよう拓実君。」
「あぁ、おはよう。玖未」
拓実の彼女*柊玖未*-ヒイラギクミ-
まぁ一言で言うと大人っぽいわけで、美人なわけで。
「あっ、おはよう春野君」
「おはよ~。ってか聞いてくれよ!」
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