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僅かな光が彼女の顔を照らす。
「……あれ?」
普段はあまり表情を変えないユリアだが、身体を起こしながら少しばかり目を見開いた。
「……生きてる」
自分の身体をあちこち触ってみるが、特に異常はなかった。
「あ、気がつきました?」
そこでやっと彼女は、童顔にあどけない笑顔を浮かべる少年に気がつく。
「じゃあ僕は行きますね」
足を抱え込むように座っていた少年は電子機器(ノートパソコン?)を閉じて立ち上がって去ろうとする。
「え、あ、待って」
「あ、僕は凪(ナギ)って言います。
カード見ました。
ユリアさんですよね?」
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