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「失礼します。」
部屋には、あまり物が無く、ドアの少し前に高級そうで大きな机と椅子があった。
そこには、初老の男性が座っていた。
白い長髪に、顔に深く刻まれたシワ。
その顔には、煌めく碧い目があった。
「何やら問題があったようだね。
天術会から、君の戦闘を見た野次馬の記憶の削除をしなきゃならんと怒りの手紙が届いたよ。」
「その事に関しては、誠にすいませんでしたぁ。」
間延びした声のせいで、反省してないように聞こえるが、彼女は至って真面目だった。
露美は、再び口を開いた。
「狙われたのは、新入生の風見 和人君ですぅ」
「か、風見だと!?」
「はいぃ。」
校長は、少しうろたえたが、露美は相変わらずおっとりとしていた。
「うぅむ……この一年、なかなかハードになりそうだな」
「えぇ」
露美は、危機感を少しも感じさせない表情で相槌を打った。
だが、その頬には、汗が流れていた。
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