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あれから一週間経った。
その間に和人は、服、家族写真などをバッグに詰め込んだ。
「しばらくは、こことおさらばだな」
部屋を眺めてしみじみと言ったが
「ピンポンピンポンピンポンピンポピンポピンポピンポピンピンピンピン」
「うっせぇよバカ」
時間は残されていなかったようだ。
ガチャ 「一回鳴らせば分かるわ!!」
和人は、家から、不機嫌そうに出てきた。
「ゴメンネェ。起きてるかなぁと思ってぇ。」
今の時間は、午後1時30分である。
「ハァー。で、その学校ってのは、どこにあるんですか?
日本?アメリカ?ドイツ?北極?」
最後の単語は、やけになっていた。
「うーん。こっちの人から見たら、異世界って言うのかなぁ」
「そっか、異世界ですか」
最近、非現実的な事がありすぎて、感覚がマヒしてきたようだ。
異世界と聞かされても、なんら驚かなくなってしまった。
「じゃあ、さっさと行くよ」
そう言うと、露美は、手の甲と甲を合わせて手を前に出し、エレベーターの扉を無理矢理こじ開けるように、左手と右手の間を開いた。
すると、露美のこじ開けた空間に、黒い裂け目が出来た。
「よっと」
露美は、裂け目の中に入って行った。
和人は、露美のように、エレベーターをこじ開ける動作をしたが、何も起きなかった。
「早くきてよぉ」
裂け目の先から、露美の声が聞こえる。
和人は、頭を傾げながら裂け目へと歩いた。
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