妄想 初詣

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同棲している二人のリビング。 テレビから鐘の音が鳴り響いた。 「野分、寒いけど初詣いかないか?」 今元旦になったばっかり。 久しぶりに野分が長期というわけではないが休みだ。 …患者さんの容態が変わらなければの話だが。 「行きましょう、弘樹さんから誘ってくれると思わなかったです」 にこにこと音がしそうなほどの笑顔で答えられてしまった。 「初詣行かねぇと年明けた気がしねぇだろうが」 「僕もそう思います」 なんやかんやと歩いて行った。 人が多くなってきたら、恋人らしい雰囲気を消し、男友達同士だぜオーラを出した他愛ない会話をした、少し昔に戻った気分だ。寂しくはあるけれど。 お詣りをして、おみくじを引いた。 野分は半吉。 弘樹は小吉。 あまり詳しくない二人はどっちが上とか気にしなくて。 恋愛のところだけ見た。 野分…今相手がいるのならその人を大切にするべき。いないなら慎重に探せ。 弘樹…相手が自分のことをどう見えているのかを考えれば吉。 それぞれは相手に見せず、神社の木に結んび、決意したり考えたりしていた。
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