第三章†最終決戦†

2/68
4153人が本棚に入れています
本棚に追加
/640ページ
──私と皐月は、教室を出て校門を抜けたところまで足を進めていた。皐月が私の方をちらりと一度見て、考えながら話すような口調で言う。 「さーて、どうしようかな。個人的に動くとなればパパたちに気付かれないようにしなきゃいけないし。馬鹿正直に三日後に出向く訳にもいかない……物には時節って言うしね。あたしは一度、家に戻ってロニクスに連絡してみる。お昼に第三区域のポインター前で落ち合いましょ」  ロニクスに? 大丈夫なのか?  しかし、あえて口にはせず呑み込んだ。  その後、皐月は私に背中を向けて自宅の方向へと歩き出す。背中を向けたままの皐月が「作戦はそのとき話すから」と言いながら、住宅街の奥へと小さくなっていった。  私はそんな皐月の後ろ姿を眺めながら考える。  ロニクスとは一体なに者なんだろう。信用して良いのか? 敵なのか味方なのかさえ分かんないよ。でも皐月が話して良いと判断した相手だし、ここは皐月の判断に任せよう。  そんな思考をしていると、ある一つの疑問が脳裏をよぎる。 .
/640ページ

最初のコメントを投稿しよう!