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「凛ちゃん、よく見てて」
皐月は真剣な眼差しで、バトルスペースに居る琉歌を腕組みをして見つめながら言う。
「今日、琉歌の戦闘これが三度目なの。つい昨日まであたしと同じレベルの仮想を使っていたはずなの」
うんうん、嫌ってほど知ってる。あんた達の仮想獣人のレベルに合わせてる私の身になってよ。もう体ぼろぼろだよ。
皐月の話す顔を見たあと、私も視線を琉歌へと向ける。
流石に相手が相手、琉歌も身動きが取れ……
えっ。琉歌の口元が動いているっ! まさか闇術【あんずち】を? いや、闇術なんて闇人の能力にそうとう長けてないと使えないはずよね。
闇人が得意とする内部破壊の力……その力を何倍にも増幅させる闇術。それを琉歌が?
私は唾をごくりと呑み込み、琉歌の口元を注意して見る。
「闇より放たれし古の神々よ。我が主ルシファーの名の下へ集え」
あっ、あれは!? まさか本当に琉歌が闇術を!
と同時に、ミノタウルスは琉歌に向かって猛突進を始めた。
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