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婆様は膝の上に座る私をふうわりと抱きしめ、安楽椅子をゆらりゆらりと揺らしながら耳元へ顔を近づけて、ゆっくりと語り始めた。
「昔々、われらの御先祖様の話じゃ……」
幼い私は少しの含み笑いをして婆様の話しに耳をかたむける。
「御先祖様はの、ここから遠く離れた星に住んでおった」
「おほしさま?」
私は不思議そうな顔で振り返り婆様の目を、きょとんと見る。
「そうじゃ、地球といってな、アフィスと違って空気の綺麗な星じゃったそうじゃ」
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