狐と吸血鬼と神主と刑事のご関係

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「先生、聞いてくださいよ!また、エルが私の寝床に忍び込んで来たんですよ。このままじゃあ、私、お嫁に行けなくされちゃいますよ」 朝の食卓に並ぶ、朝食を前にエルの狼藉を言い付ける私。毎朝の事だが、このチクりの効果があった事は今まで無い。でも、言わずには気がすまない事である。 「それは大変でしたねぇ。エル、三穂も年頃の乙女なのですから、あまり悪戯してはいけませんよ。後、醤油を取って下さいませんか?」 眼鏡の奥で柔和に眼を細めながら、心の籠らない説教をする男性。エルが住み着いて二週間、エルの暴挙を報告し続けているけど、先生はいつも軽く流している。もし、私に何か間違いが起こったらどうするのか? 「私は別に三穂に悪戯していない。ただ、三穂と清く正しく愛し合っているだけだ。三穂も心配するな。お嫁に行けなくとも、私がお婿にもらってやるから」  エルは図々しくも、先に自分のアジの開きに醤油をかけてから、先生に渡し、間違いだらけの屁理屈を言う。 そのエルの言い分に苦笑しているだけの先生。 エルは、私と先生の愛の巣に、お情けで居候させてもらっている身分何ですよ?まぁ、私も厳密には居候の身分だけど。でも、乱行が過ぎる。夜に私の部屋に忍び込む、入浴中にセクハラに来る。 僕の大事な三穂に無作法を働くなら、出ていきなさい!ぐらい言って欲しい。言ってくれたら、一生着いていきます。 「どうしたんですか、そんな恐い顔して。せっかく三穂が美味しく作った朝食、早く食べないと冷めてしまいますよ?」  そんな私の想いとは裏腹に、私の想いの籠った朝食を嬉しそうに食べている先生。私の平凡な料理を如何にも絶品料理を食べてるように頬を緩ませながら食べてくれる先生の姿に、私の気持ちは高揚していく。  うん、エルの事なんかもうどうでも良くなってきた。取り敢えず私も食べよう。
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